1966年以来、幾許かの休止を挟みつつも21世紀の現代に至るまで続く「ウルトラシリーズ」。
嘗ては東映の「ライダー」等と並んで、
民放の夕方や夏休み・春休みの再放送番組の定番でしたので、リアルタイム世代以外にも幅広い層に親しまれて居ります。
その第一弾として華々しくシリーズの幕開けを飾った「ウルトラマン」が、
円谷プロ設立50年の今年7/10日「ウルトラマンの日」、
「史上最も美しいウルトラマン」のキャッチコピーの下、
新たにHDデジタルリマスターを施され、Blu-ray Boxとして登場しました!
その詳細は上掲の動画等に譲るとして…
矢張り、本作の様な「テレビ映画」は現代のHD時代にこそその真価を発揮しますね!
嘗てのテレビドラマは、大雑把に言って局の自主制作の物はスタジオでビデオ撮影(テレビ放送の極初期にはドラマも「生放送」だったりしたわけです)、
外注の「テレビ映画」(これは制作会社の殆どが映画制作からシフトして来たものです)は16mmや35mm(ネガが35mmでも放送用の完パケは16mmの場合が殆どだったと思います)のフィルム撮影でした。
'90年代に入ると外注のTVドラマ等も多くがビデオ撮影となり、
フィルム撮影の物でもビデオで完パケを作る事が多くなったのです。
そして20世紀末には、最後の砦とも言える一部時代劇等までもとうとうビデオ撮影となって仕舞いました。
所謂「特撮」もその例に洩れません。
ですから、画質に「拘る」立場からすれば、この時期のTVドラマは壊滅的とも言えるでしょう。
何しろ(素材がフィルムの物ならまだしも)原版がSDビデオでは Blu-ray にしたところであまり意味がありませんから…尤も、現代のフルHDにしても「4K」時代になれば同じ憂き目を見る事になるのかもしれませんが。
その点、本作は勿論16mmとはいえフィルムによる制作ですので高画質のBlu-rayの威力を存分に発揮してくれるでしょう!
少々話が横道に逸れて仕舞いましたが閑話休題。
先日発売の「BOX I」には、1話〜13話の所謂「1クール」分が収められて居りますが、
この期間は、丁度ウルトラマンの着ぐるみが「Aタイプ」と呼ばれる物であった時期と一致します。
ウルトラマンの着ぐるみが大別して「A」「B」「C」の3タイプある事は、人口に膾炙する話ですが、この「Aタイプ」の特徴は矢張り「口が動く」事でしょう。
これを実現する為に、「Aタイプ」のマスクは、FRPのベースにラテックス(コンドーム等に利用される合成ゴムです)のコーティングを施した、大変凝った作りの物になって居ります。(その為、Aタイプのマスクは「肌荒れ」が少々酷いのですが、まあ、まだ地球に着て間もない事もあり環境に馴染まずストレスから来る肌荒れと考える事にでもしましょう)
これは元々ウルトラマンが喋る時に使われる予定だったのが、いざ撮影本番を迎えてみると余り効果が無い(要するに動きが良く判らず見栄えがしないと言う事なのでしょう)という事で、この機能は「封印」されて仕舞ったそうです。
ただ、劇中良く観察していると、戦闘中偶にウルトラマンの口が半開きになって居たりしますので、興味のある方は探してみて下さい。
この様な探索も「特撮」の楽しみの一つでもありましょう。
この様に全てが初物尽くしであった「初代」は、先程挙げた着ぐるみマスクの例以外にも、
様々な手間隙を掛けた試行錯誤や創意工夫に満ち溢れて居ります。
熱心なファンは勿論の事、初代を知らないという若い層にも是非御覧頂きたい一品です!
BOX II は 10/25、BOX III は来年 1/29 発売!
posted by oboro at 19:46
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